縫製① 縫製のカテゴリーについて
前回からの続きですが、縫製のカテゴリーははっきり決まった定義があるわけではありません。あくまで私見ですので参考程度にしてください。
目次
■ 福山はカジュアル衣料の産地
弊社の所在地は広島県福山市です。福山はカジュアル衣料とワーキング衣料の産地と言われています。弊社もカジュアル衣料の縫製を得意としています。ですからスーツや学生服や下着を縫製することはできません。
反対に和歌山や福井のニットの産地に行ってGパンやウエスタンシャツを縫製できる工場を探すのは難しいでしょう。何故産地によって得意分野が分かれたかは調べていかないとわかりませんが、長い歴史の中で地場産業が発展していき地域で仕事を融通しあっていく中で産地が形成されていったのでしょうね。
■ 布帛とニット
生地には織物と編み物があります。織物は布帛(ふはく)、編み物はニットといいます。布帛とニットでは使用するミシンや縫製上の注意点が異なる為、一般的に縫製工場は異なります。
また、布帛は複雑な構造の物が多く、ニットは比較的簡素な構造の物が多く為、生産の組み立て上相容れないことが多い感じがします。
■ トップスとボトム
トップスとボトムも工場が異なることが多いです。トップスとボトムは組み立て手順が異なるため、ボトムの工場でトップスを生産するとトップス工場の半分も上がらないなんて話はよく聞きます。工場も激しい単価競争の中で生きているので、生産性を上げるために同一の工程で縫製できるものを集めてその道に特化していくことでコスト競争力と品質の維持を習得していくのです。
■ ロットの大小
生産ロットにより工場は異なります。1,000枚を2人の工場では縫うのに何か月もかかりますし、10人の工場に50枚の小ロットを入れても管理するのは困難でしょう。生産数、納期により最適な工場を選んで投入しなければなりません。
■ 事は複雑です
一口に縫製工場といってもとても複雑だという事です。上記の要素が複雑に絡み合いながら日々新しい洋服が市場に提供されているのです。縫製したい製品の種類、素材、ロット、納期、単価、継続性の有無等の条件により対応が異なります。おそらく、プロのコーディネーターの仲介なしには形にすることは困難でしょう。依頼主様からの多様なニーズを集約して、生産に振り分けるプロの方がいらっしゃいます。信頼できる方につながることが大事だと思います。
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